2024年12月21日
こんにちは、エルデザインの恒松です。今は代表兼現場監督担当ですが、地元倉敷を中心に35年ほど大工を現役でやっていました。そんな僕にできることは、リフォームを考えている地域の方に正しい知識を持って理想の住まいを叶えてもらうために情報発信をすることだと思います。
拙い文章ですがブログを通してお伝えして行ければと思います。
今回は「外壁塗装の失敗例から学ぶ」というテーマでお話ししたいと思います。
外壁塗装は家の美観を保つだけでなく、建物の寿命を延ばす重要なリフォームです。しかし、初心者が陥りやすい失敗も多くあります。ここでは、よくある原因や失敗例とその対策を紹介し、リフォームを成功させるためのポイントをわかりやすく解説します。
1. 不適切な塗料の選択
失敗例: 相見積もりで一番安かった業者の「おすすめの安価な塗料」を選んだ結果、たった数年で色あせや剥がれが発生した。
トラブル対策:塗料の種類は大変多く、性能や耐久性も様々です。「おすすめの安価な塗料」が本当に自宅の壁に使用する塗料として適しているのかを正しく比較検討していれば失敗しなかったと思います。塗料選びは価格だけで選ぶのではなく、必要な機能性や耐久性等を考慮して塗料を選択し、壁の素材や経年劣化の状況で下地処理の方法も違うので状況に合わせて適した下地処理法を選びましょう。
相見積もりは価格で比較するのではなく工事内容の比較をしましょう!工事の方法や内容の知識がないのなら時間をかけて勉強するか、信頼できる専門家に相談する事をお勧めします。新聞の折り込みチラシなどは業者側が都合よく塗料の性能情報の数字を記載していますので、必ずしも正確な情報とは言えません。塗料メーカーの発表している性能情報を確認するなど注意が必要です。
2. 下地処理の不備
失敗例: 古い塗膜や汚れを十分に除去せずに塗装をされ、数年で塗料が剥がれた。
トラブル対策:塗装を行う前の準備として今の汚れを高圧洗浄やサンドペーパー等でしっかりと落とす事が重要です。特に屋根の洗浄は、苔や埃が蓄積されている事が多く、下から見えない部分が多く、そのまま苔や埃の上に塗装をする悪質業者もいますので気を付けたいところですね。
また、塗料の性能を十分に発揮させるためには下地処理も正しく行う必要があります。プライマー、シーラー、フィラー等で現状の壁や屋根の状態と仕上げ塗料から適した下地処理を行いましょう。
3. 天候条件の無視
失敗例: 工事期間を短くする為に雨の日や湿度の高い日に塗装を行い、塗料が乾かずにムラができた。
トラブル対策: 工事期間が短い方がありがたいですよね。その気持ちよくわかります。ですがその為に塗装工事を失敗するわけにはいかないですよね。まず、第一に良心的な業者なら雨の日に塗装作業はしませんし、気温が5度以下になる冬場の朝晩も塗装はしません。また夏場の35度を超えるような時や直射日光が当たって壁面等が高熱を帯びてしまう時も塗装はしません。湿度も85%が目安とされていて「雨も降ってないのに職人が来てない」と思ったら湿度が90%以上だったりするかもしれませんね。実は雨の日以外にも塗装に不向きな日があるので、工事期間があまりにも短い場合はそういった塗装に不向きな日が工事期間に含まれていないのかも知れませんね。余裕をもった工事期間にして雨天等の塗装作業に不向きな日は塗装作業を中止しましょう。ただし、養生作業等のように塗料を扱わない作業は問題なく行える場合もあります。
4. 仕上がりのイメージが違う
失敗例: カタログで選んだ色と実際に出来上がった壁の色とのイメージが違う。
トラブル対策:小さなカタログやイメージ図で見た色と、実際の壁に塗られた色を見た時にイメージと違うという事はよくあります。小さな面積で見た色より大きな面積で見た色の方が明るく見えますし、屋内照明の光で見たカタログの色と、屋外の太陽光で見たカタログの色で見え方に違いがあるからです。太陽光は季節、天候、時間、壁の方位等、様々な条件で違います。それによって照らされる壁の色もその時々で違ってきます。カタログは表面が平坦で光を面で反射しますが実際の壁は小さな粒々があったり、ザラザラ、デコボコしていたりと様々で光を拡散して反射します。また、カタログの色の艶と実際の壁の艶が違う場合も多いので色合いが違って感じる事があります。それらを踏まえてイメージ通りに仕上げるなら色を選ぶ時は屋外の太陽光で実際に東西南北の壁面にカタログを添わせて色を確認して見る事をお勧めします。また、有料でB5サイズ程度の面積に希望の色を塗ったサンプルを作成して貰える場合もありますので、カタログより大きな面積で色を確認しておくことや色を塗ったときのイメージシミュレーションを作ってもらうのもいいかもしれません。
5. 専門家のアドバイスを無視
失敗例: 広告やインターネットで見た事例を参考に自分好みの色に塗装してもらったが2色に塗分けた色(ツートンカラー)が不自然だった。提案された見積金額よりも予算を抑えようと思い、塗らなかった部分の劣化が目立つようになり、結局、後から追加で塗装をお願いした
トラブル対策: 自分の頭の中のイメージはどうしても良い部分だけしか見えなくなってしまいがちです。全体を俯瞰的に見ておかしくないか専門家のアドバイスを受け、適切な方法で作業を行うことが成功の鍵です。建物には壁と屋根だけではなく基礎、軒、庇、雨戸、雨樋、破風板等の様々な部位があり、それぞれの色を決める必要があり全ての色がバランスよく配色されているかが重要になります。また、現状ではそれ程傷んでないと思っていても、他をきれいに塗装して仕上がってしまうとその部分だけ酷く傷んだ状態に見えてしまいます。今まで数多くの事例を実際に見ている専門家の意見に耳を傾けて失敗しない塗装計画にしましょう!
6. 訪問営業してきた業者を信じて失敗した
失敗例:近所で工事しているからと訪問してきた塗装業者の「今だけ限定特別お値引き価格」で塗り替えをお願いしたが、職人の態度も悪く近隣宅にゴミが飛び苦情を言われたり、壁の塗り残しがあったりと工事の質が悪かった。
トラブル対策:そもそも値引きをする理由は何があったのでしょうか?食料品の様に賞味期限が迫っているわけではありません。他社より安く提供するには他社より安く仕入れないといけませんよね。外壁塗装においても工事代金の大部分は人件費になります。人件費の大部分は実際に作業する職人です。その職人の費用を安くするには一流の職人では費用が合いません。一概に安く作業してくれる職人の質が悪いとは言い切れませんが私の知る限りでは一人前の仕事をする職人は一人前の人件費が必要です。見ず知らずの人の為に特別値引きで働く職人はいません。そうなると値段相当の職人?(職人になれていない可能性もあります)が作業する訳ですからマナーも技術も期待できません。
やはり、高額な買い物ですからどこに頼むかが重要です。たまたま訪問してきた業者が本当に信頼できるのかしっかりと見極めましょう!絶対にしてはいけないことは、「どれだけ言葉巧みに迫られても、その場で契約をしないことです」8日間は契約を解消できるクーリング・オフ制度もありますが、気付くのが遅れたりすると契約を解除することができない最悪の場合もあります。
少しでも不安がある場合は、専門家に相談することや・家族や近所の人に相談することも1つの手ですよ。
※クーリングオフとは・・・申込書面または契約書面を受け取った日から8日以内(マルチ商法は20日以内)クーリング・オフの起算日は、契約した日ではなく、クーリング・オフなどについて記載した契約書面を受領した日を初日として数えます。
まとめ
安くはない外壁塗装ですから基本的な知識を持っておくことも大切です。
また、業者選びのポイントはこちらの記事にて詳しく解説していますので合わせて読んでみてください。
エルデザインでは外壁塗装の現場調査・見積もりは無料で行っております。よろしければご活用ください。
ブックマークなどに入れてまた見に来てくださいますと励みになります!
それでは、また次回のブログでお会いしましょう!
〈保有資格〉2級建築士:宅地建物取引士:住宅リフォームエキスパート 増改築相談員etc・・・見た目は頼りないですが、頼りになる男です!!私自身も35年以上大工をやってきました。その知識と現場での経験をふまえてご提案させて頂いています。どんな事でも遠慮なく相談して下さい。